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2022年08月05日
山本康正氏『「世界基準」で動け』目次読み
背景:日本は世界の潮流からはずれ、取り残されている状態にある。
理由:日本は過去30年間、旧態依然のビジネスモデルはもはや世界では通用せず、変化できる企業のみが生き残り、自分たちも変わらないといけないという危機感がなく、ベンチャースピリットに欠けていたことが要因となり、世界から遅れを取っている
見方:著者は41歳という若さで日本の現状を客観的に分析し、警鐘を鳴らしている。主に、20、30代に向けて、これから世界で「個」として戦うためのスキルが、著者の経験に基づき具体的に提示されているため、説得力があると同時に、刺激を与える一冊だ。
bubba_gump at 13:37|Permalink│Comments(0)
2022年08月04日
梅棹忠夫氏『情報の文明学』(中央公論新社)目次読み
テーマ:「情報」がいかに産業になっていくのか
背景: 現代は工業化の道を辿っていると同時に、情報産業の時代が始まっている
理由: 戦後の日本にあらわれた新しい産業の一つが放送産業だが、マスコミだけではない職種が商品としての情報を扱っているため、これらを総じて「情報産業」と呼ぶことができる。
味方: 情報はコミュニケーションではなく、すべての存在それ自体が情報であり、情報は工業化にともない産業化していく。
bubba_gump at 17:31|Permalink│Comments(0)
読書の必需性を改めてーー『知的生活の方法』渡部昇一氏(講談社現代新書)
知的生活の方法
前回の『考える技術・書く技術』に続き、こちらも1970年代に出版された本です。
目次は、こんな感じです。
- ●自分をごまかさない精神
- 「わからない」に耐える
- ●古典をつくる
- 繰りかえし読む/『半七捕物帳』
- ●本を買う意味
- 身銭を切る/貧乏学生時代
- ●知的空間と情報整理
- 図書館に住む/ファイルボックス
- ●知的生活の形而下学
- ビールとワイン/結婚
冒頭、「知的正直」という言葉が出てきます。英語では、"intellectual honesty"と言われていることを知りました。
wikipediaに載っているほどなので、一固有名詞として認識されているワードなんですね。
「知的正直」について、著者の渡部昇一氏の解釈では「わからないのにわかったふりをしない」(P13)とのこと。「己に対して忠実になれ」と。
この、「わからないのにわかったふりをしない」に似たことを、板坂元氏も著書の『考える技術・書く技術』の中で言われていました。「知っていることと知らないことをはっきり区別すること」と。
連続で読んだ本の両者が言われているということは、こちらも本質に近いことなのではと思いました。
話が少しそれました。
『知的生活の方法』を読んで思ったのは、一言でいうと「読書の必要性」。
読書の大切さはこれまで何百回と聞いてきましたが、今回改めて思ったのは、読書は人間の内面的な充実・進歩に役立つものであること。
目次にある「古典をつくる」について、端的に言うと、こちらは「繰り返し読みたいと思える本を、あなたは何冊もっていますか?」という問いでした。
ちなみに古典の説明を渡部氏は「何度も何度も読みかえされ、時代を経ているうちに残った本」と説明しています。現代でも、1日に300冊ほどの本が新たに出版されていると聞きます。過去から現代において、それだけ大量に世に出ている中で、人々に周知される本って、それだけ支持される理由があるはず。
私は今年部屋の片付けをして、家に置いていた本の3分の2ほどを手放しました。
まだ整理が必要だけど、手元に置いていた本の基準の一つは「また読み返したいか」でした。
人は忘れる生き物なので、本の内容は、かなしいかな、片っ端から忘れていきます。
でも、繰り返し読むことで、本の概要や印象的な内容は記憶に残るはずです。
それがゆくゆくは、自分の知識や知恵となり、自己成長につながるのだと改めて思いました。
多読もいいですが、繰り返し読みたい本の数を増やし、「自分だけの古典」をつくっていくことも良いなと思えました。
あと、印象的だったことが二つ。
一つは、雑誌や新聞の切り抜きをすることで、読書が中断され、読むハードルが上がってしまうとのこと。
だから、読んでる時な線を引くだけでいいと。読むハードルが上がる、読むのが億劫になるというのは、これまでも何度も経験していました。最近、買った本は線を引くようになったのですが、確かに読書の理解が深くなる気がします。
図書館で借りる本は難しいけど、書き込みを積極的にして、印象的な内容を頭に入れていけたらと思います。
もう一つは、理想の1日の食事が紹介されてるのですが、ほぼ「1日1食」でした。今では断食や16時間ファスティングも一般的になっていますが、その先駆けとして渡部氏がされていたことに驚きました。
最後に、渡部氏がこの本を書こうと思ったきっかけが、『ハマトンの知的生活のすすめ』だったとのこと。
こちらも読んでみようと思いました。
bubba_gump at 09:48|Permalink│Comments(0)
2022年08月02日
渡部昇一氏『知的生活の方法』(講談社現代新書)目次読み
テーマ: 知的な歓びを得る生活を送る方法
背景: 情報過多の社会において、知的生活が読者にとって必要
理由: 自己に忠実であることで、人は確実に進歩する
見方: 内面の充実につながる「知的生活」の方法を、筆者の体験を通して語られている。自己啓発本と言ってもいいかもしれないが、人が生きる上で大切にした方がいいと思われる要素が具体的に語られている一冊。
bubba_gump at 16:23|Permalink│Comments(0)
シンプルで本質的ーー板坂元氏『考える技術・書く技術 』講談社現代新書
『考える技術・書く技術 』講談社現代新書
先日読了した『現代思想入門』の最後部に掲載されている他の書籍をパラパラ見ていて
ふと目にとまったのがこの本でした。
1973年出版で、著者は板坂元氏。シンプルなタイトル。
総じて現代社会に通じる普遍的な要素=本質が書かれていると感じました。
目次を見るだけで、中身を知りたくなります。
- ①頭のウォームアップ
- ②視点
- ③読書
- ④資料整理
- ⑤文房具
- ⑥発想
- ⑦説得
- ⑧文章
- ⑨構成
- ⑩仕上げ
実際に読んでみて、考えること、そして、書くことにおいて - 「技術」を身につけることの大切さを感じました。
ポイントなのは、「考える」が先だということ。
冒頭、「頭の良さとは」という問いかけがあります。
ペーパーテストで良い点数を取ることはもちろん大事ですが、この本で言われているのは「型を見つけることの大切さ」。
型をとらえて、それに対して適切な処置をすること(P24)
頭がよいとか悪いとかということも、型を早く見つけるかどうか、また型をたくさん持っているかどうかの差に換算できることが多い。(P24)
そして、型をとらえることができたら、それによって見つけた「法則性」を、関連する事象と結びつける。それのトレーニングを積むことで脳が使われる。
トレーニング次第で頭はよくなると言われると、勇気づけられます。
その一方で、「型にはまった考え方から離脱するために心身を訓練すること」(P123)の重要性も説いています。そのことを、板坂氏は「バンカラ」という言葉を用いています。
これまでの経験や習慣のみを基盤にして、自分は物事の本質を理解しているという思い込みに陥ってしまわないよう警鐘も鳴らしています。
努力をすれば、優等生になれる確率は高い。
けれでも、「受け身」の知識・教養だけでは、8割止まりになるといいます。
人生の九八パーセントまでは、これまでの社会によって作り上げられた文化・考え方の積み重ねであろう。そして、個々人が勝負をするのは、けっきょく、残りの二パーセントのところなのである。(P 125)
その「二パーセント」に必要な要素を、板坂氏は「大胆な挑戦」と表現しています。- そこに模範解答はないからこそ、自分が感じる課題に対して確立されたルールを突破していくことも最後は求められるのだと感じました。
ここまでは「考え方」の技術において印象的だったこと。
次は、「書き方」の技術において興味深かったことです。
前述の「バンカラ」という言葉に加えて、「情動」も心に残ったワードでした。
どういう文章が読み手の心を捉えるのかというと、「相手の情動を刺激するもの」(P134)
そのために、「飽きが来ないように、かつ適度に相手の精神集中をうながすように、緩急をつけることが必要」(P134)とのこと。そのために必要な要素として、
ことばづかいや話の内容や、その他いろいろな技術で読者との対話の場をつくりだすこと(P 142)相手に理解し同調してもらえること(=情動的)(P131)
が、挙げられていました。
具体的な技術として、数字を使う(数量化 P151)、読者が集中して読める文字数を意識する(三枚主義 P153)、リズム(具体と抽象の変化 P156)とか。
そして最後の「仕上げ」には、心構えが書かれています。
誠実、情熱、努力という言葉は、そのまま見るとありきたりで薄っぺらく思えてしまうけど、この本のまとめとしてみると説得力があります。
そして、「知っていることと知らないことをはっきり区別すること」(P200)
自分の見解や発見を発表するときは、自他の境界線をはっきり示す(P201)自他と公私を区別すること(P202)
ただ無知で「知らない」のと、その分野である程度精通しているけど「知らない」とは別物ですよね。
い板坂氏は、「自信がなければ知らないといいにくい」と言っていますが、その通りだと思いました。
そして、私は今アスリートのセカンドキャリア・キャリア形成を取材を続けているため
この点について胸に留めておきたいと感じています。
最後に、板坂氏が面白いのは日本離れをしていること。執筆時点で、海外生活を15年以上送っているとのことでした。外の世界を知っているからこそ、見える景色、紡げる言葉がある方なのではと思いました。
この『考える技術・書く技術 』は、物事を考えるうえでの指南書として、手元に置いておきたいと思う一冊です。
い板坂氏は、「自信がなければ知らないといいにくい」と言っていますが、その通りだと思いました。
そして、私は今アスリートのセカンドキャリア・キャリア形成を取材を続けているため
この点について胸に留めておきたいと感じています。
最後に、板坂氏が面白いのは日本離れをしていること。執筆時点で、海外生活を15年以上送っているとのことでした。外の世界を知っているからこそ、見える景色、紡げる言葉がある方なのではと思いました。
この『考える技術・書く技術 』は、物事を考えるうえでの指南書として、手元に置いておきたいと思う一冊です。
bubba_gump at 11:27|Permalink│Comments(0)