49年ぶりの『特別展 建築家 ガウディ × 漫画家 井上雄彦』へ行って

2014年08月09日

「悪」とは何だろうか?


今まで、「人は最終的には“人間”っていう観点から分かり合える」って思ってました。
国とか文化とか政治とか宗教とか、そういう付随するものを一切取り除いたとして、
核になる部分は共通すると、そう信じていました。

でも、そうじゃないかもしれない、と思うようになりました。
現実を知ったというか。

別に何か自分の身に起きた訳ではないのですが、
最近読んだ本と観た映画からふと思ったんです。

引き続き、宮部みゆきさんの書籍を読んでいて、今は『模倣犯』を読んでるところです。
これ、単行本で1~5巻まで出てて、かなりのボリュームです。
その中でとても印象的な言葉があってので、引用したいと思います。


“本当の悪は、こういうものなんだ。理由なんかない。

だから、その時襲われた被害者はーこの場合は気の毒な梅田氏だーどうしてこんな目に

あわされるのかがわからない。納得がいかない。なぜだと問いかけても、答えてはくれない。

恨みがあったとか、愛情が憎しみに変わったとか、金が目当てだったとか、

そういう理由があるならば、被害者の側だって、なんとか割り切りようがある。

自分を慰めたり、犯人を憎んだり、社会を恨んだりするには、根拠が必要だからね。

犯人がその根拠を与えてくれれば、対処のしようがある。

だけど最初から根拠も理由もなかったら、ただ呆然とされるままになっているだけだ。

それこそが、本物の「悪」なのさ”


ここを読んだ時、まさに私が感じてる気持ちを代弁してくれてる!と思いました。
そうなんですよ、「理由がない」。これが「悪」なんだと思います。

最近、サスペンスを読み続けてるからかもしれませんが、どうしても物事に「理由」を
見つけたがる傾向がありました。加害者がしたことは決して許されることではないけれど、
物語の中では共感してしまう一面があったりすることが多かった。

でも、この『模倣犯』の犯人は違うんですね。冒頭で言った、「人間の観点」を超えてしまっている。
次元が違う。尺度が違う。そんなイメージです。

世の中、色々な事件・事故が多発してますが、「理由がない」ものも多いと思います。
それこそ、本当の「悪」なのではないかと、考えさせられました。

何だか、重い内容になってしまいましたが・・・
あまりにも『模倣犯』が強烈過ぎて、書かせてもらいました。
読んでるうちに苦しくなってくるんだけど、今4巻まで来たので読み切りたいです。

映画の方は『悪の法則』(原題:" The Counselor")を紹介したいと思ってます。
これも強烈だったまた別の機会に


IMG_1761

内容が重くなったので、せめて写真は軽やかなものに(笑)

全く無関係だけど、お店の前でみかけたかわいらしい自転車の置物

らぶりー




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bubba_gump at 23:44│Comments(2)TrackBack(0)思うこと | book

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この記事へのコメント

1. Posted by ぼにけん   2014年08月11日 08:31
5 善も悪も表裏一体。むずかしやむずかしや。
2. Posted by ぼにけんちゃんへ   2014年08月13日 05:41
どちらの立場に立つかだね。
「ショッカー論」ちゃんと覚えてるよ

PS さすがケンのお父さん!よかった

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